当園で学べること
幼稚園で過ごす時間は、小学生になるまでの準備期間でもあります。
常盤幼稚園では、「字を書く」「お箸を持つ」「楽器を使う」といった、日常生活や学校生活の中で必要になっていく、さまざまなスキルを無理なく身に付けられるよう取り組んでいます。
5歳児全員に「書き方教室」として習字のおけいこを行っています。子どもたち一人一人に合った進度でていねいに指導します。
副園長の吉川美奈子は毎日書道会会員の書家(師範)でもあります。
こうした取り組みは、単にスキルの習得のみを目的としているのではありません。
実技を通して子どもたちに感じてほしいのは、「何かを自分でできた」ことの喜びや自信です。
お箸の練習も楽しい!
一つのことをできるようになるまでには段階があります。
例えばお箸なら、最初はスプーンを上からわしづかみしていたのが、下から持つようになり、えんぴつ持ちができるようになり、そしてスプーンからお箸になり、指をはさめるようになり…。
お箸の持ち方もバッチリ!
当園では子どもたちに無理をさせず、こうしたステップを踏んで手ほどきしていきます。上達するにつれて手首も柔らかくなり、指先での感覚が分かるようになってきます。
また、お箸とえんぴつの持ち方はほとんど同じですから、お箸が持てれば、おのずと正しい持ち方と姿勢できれいな字が書けるようにもなります。
お箸や鉛筆が自分で使えるようになったという体験は、園児たちの心に大きな自信をもたらします。「お箸が上手に使えるようになった!」「自分の名前を、きれいな字で書けた!」
「鍵盤ハーモニカで音を出せるようになった!」そういった経験を積み重ね、またそれを皆が一緒に喜ぶことで、子どもたちは自己評価を高め、さらに新たなことにチャレンジする心を伸ばしてくれると確信しています。
当園がお箸持ちや楽器などに積極的に取り組むのには、もう一つ「手指を使う」という狙いがあります。
成長期にある幼児が手や指を使うことは、とても大切です。
色々な動きができて器用になるというだけでなく、脳の成長にも良い影響があることが分かっています。手指の運動が、思考力や記憶力、運動能力などをつかさどる大脳への刺激となるためです。
お筆の持ち方もしっかり!
一方で、私たちの身の回りを見てみると、物や道具がどんどん楽に使えるようになっています。
例えば、以前はひねって開け閉めしていた水道の蛇口は、今はほとんどレバー式です。絵具や水筒のキャップも、ねじ式でなくはめ込むタイプに。袋菓子やソーセージの包装も、昔はもっと開けにくいものだったと思います。
こういった工夫は、普段の生活の中ではとても便利でありがたいものですが、園の中では、子どもたちが積極的に手や指を使う機会をできるだけ増やしたいと考えています。
早いうちからお箸に慣れさせるのも、書き方教室や楽器の演奏も、その機会の一つと考えているものです。
書き方やお箸といった技能の基礎とあわせて、子どもたちにぜひこの幼児期、身に付けてほしいことがあります。それは、さまざまな出来事に驚き、喜び、感動できる「豊かな感性」です。
これは一朝一夕にできるものではありませんが、そのきっかけになればと常盤幼稚園では、バラエティに富んだイベントを設けています。
お願い事を短冊に♪
その一つが「日本古来の季節の行事」です。
お花見や七夕といったポピュラーなものはもちろん、七五三、お月見、鏡開き、節分、七草、半夏生、重陽の節句(菊の節句)…ひょっとしたら保護者の皆様にもなじみが薄いかもしれませんね。
豆まきで鬼退治!
これは、他の園にあまり見られないと思います。
いずれも、四季折々に表情を変える日本ならではの風土や自然、また日本人の暮らしに深く関わっています。園ではその行事のいわれをお話ししたり、行事にまつわるものを食べたりします。
日本の良き風習に触れ、子どもたちの感受性を養うことが狙いです。
他にも年2回の観劇や演奏会、保護者様にも参加いただき親子の愛情を確かめ合う「お誕生会」など、さまざまな体験や経験を通して五感を刺激し、豊かな感性を養い、心を育てる教育を目指しています。